「ほっとけない 世界のまずしさ」 なのか?
  (2005.07.15)


  「ほっとけない先進国のアホさ」 とでもしたかったのだが、そこまで言えるものでもないし、私のようなアホの筆頭にはよくわからないことも多い。

 アフリカの貧困に対する善意と援助の陰に隠されているものは、何か?
 なにが隠されているか?
 いろいろなところに書かれている話の流れで言えば、 「端的なところ、中国様のご威光」 とかになりそうだ。

 ダルフール危機( ダルフール紛争はスーダン西部ダルフール地方で現在進行中の民族浄化です。 発端は民族紛争でしたが、現状、スーダン政府が支持するジャンジャウィードと呼ばれるアラブ系民族民兵が、地域の黒人住民( 黒人のイスラム教徒を含む )を迫害しています。 2004年8月時点での概算で50,000人以上が既に殺害され、120万人以上が家を追われています。 被害は止まりません )についても、端的に言ってしまえばこういうことだ。
 つまり ……
 南北内戦が片付いてきて、イスラム系スーダン政府が 「けッ、南北問題では下手を打ったから石油の取り分が減ったじゃなねぇ~か」 と考え、さらに 「もうこれ以上減らされるのはご免だな、じゃ~、次にグダグダ言いそうな西のダルフールの住民を先手で追っ払っておけ」 と考え、 「なんか、うまい追っ払いの口実はないか? 古くからある住民対立を増長させておくのもいいが …… なぬ! 西側の反乱軍がいる! 大した勢力じゃない? 勢力なんてどうでもいい、おお、それだそれだ、それを口実に、やっちまえ! それなら民族虐殺じゃなくて内戦っていうことになるし、内戦っていうことなら、この手のブラフな国内問題宣言がお得意の中国様も国連でがんと我々を支持してくれるだろうし( 石油の分け前を中国様が狙っているしな )。 あぁ~日本? 日本は大ジョーブ、だって …( 伏せ字 )…」 という漫画みたいな話だ。

 まったくダルフール危機でなにが内戦だよと思う( 力のバランスをなぜ考えないのか )。 先日反乱軍とやらの映像をNHKで見たが、あの映像だけでもGJ( グッジョブ )だった。 反乱軍とやらはボロの銃をもった自警団というくらいなもので、スーダン政府軍のヘリでバババババと空爆するのに、どうやって闘うというのだ?  「ヘリが来たら木登れ!」 という訓練映像を見て、私は、泣けましたよ。

 スーダン政府にさらについていえば、原油高騰で、スーダン政府にガボガボとゼニが流れ込んでいるのに、なぜさらに金銭援助? …っていうか、その金で政府軍の民衆虐殺の軍備ができているっていうことこそ、ほっとけない倫理の貧しさではないのか。
 というわけで、そんなダルフール危機の原因のどこが 「ほっとけないアフリカの貧しさ」 のか、わけわからねぇ~である。
  「素材:シリコン 生産国:中国」 のホワイトバンドって悪い冗談ではないのか。
 ……… と、いうような話をしたいわけではない。

 そうではない。

 気になるのは、本当にアフリカの貧しさを解決するには、どうすべきかということだ。
 ダルフール危機については、この問題をマジに考えてきた世界のブロガーの意見はだいたい一致してきた。 AU( アフリカ連合 )の軍事力を強化して、民族虐殺を制止する力にせよ、ということだ。 実際、政府側に石油代金よろしく兵器がバコバコ投入されバコバコ利用されて活用されている現状をどうやって制止させるのかといえば、調停の軍事力以外はない。 そして、その軍事力をどう世界のシビリアンがコントロールするかということでもある。
 それはそれで、不可能な道筋ではない。
 中国様に国際世界でちょっと引いてもらって、国連がまともに機能すればいい。 そのために日本が貢献しようというのに、なぜそこまで中国様が邪魔するのか、というか、日本の世界平和への意志への対立者として中国様がドカーンと浮かび上がっているのが現状の国連改革の問題である、と簡単に言えば、簡単に言いすぎだが ……。
 問題は、その先、本当に自立的にアフリカの貧困を解決するというとき、まともな政府によって豊かな鉱物資源なりを分散するだけでいいのか、ということのように思う。
 間違っているのかもしれないが、重要なのは、農業ではないのか。 農業を貧しい国家のなかに樹立させる援助となることが重要ではないのかと思う。

 ではその最大の障害はなにか。

 それは、先進国の自国の農業助成金( agricultural subsidies )制度ではないのか。
 そんなふうに考える人はいないのか、と思っていたら、いた。
 テレグラフ( デイリー・テレグラフ( The Daily Telegraph )は1855年に創刊されたイギリスの一般紙サイズの新聞 )だ。
 また、9日付“More to do to aid Africa”がよかった。
 まず、こう現状のアホさをまとめている。

 Yet there is a danger that increased aid and debt relief will appear patronising, a latter-day version of the white man's burden, without corresponding reforms in the developed world.

増加する支援や債務帳消しは、恩着がましさとなり、かつての 「白人の責務」 となる。 そこには、先進国との対等な応答などない。
そして、こう続く。

 Having failed to commit his G8 colleagues to a fixed date for doing away with farm subsidies, he expressed the hope that the Doha Round of trade negotiations would agree to their elimination by 2010, at a meeting in Hong Kong this December.

Given the difficulties already experienced by the round, that seems wishful thinking. Yet the removal of subsidies by the European Union and the United States would have a much more beneficial impact on African economies than increased aid.

Mr Blair's persistent championing of Africa has, with the Live8 concerts and the Gleneagles summit, paid off politically. His success is deserved. But it still has to be translated into effective aid programmes and furthered by abolition of an iniquitous system of agricultural subsidies.


 テレグラフの主張をなぞるだけだが、アフリカの貧困を救済しようとするブレア首相らの熱意は意義のあるものだが、先進国の農業助成金の撤廃が伴わなければ、その効果は充分ではないと言えるように思う。
 この問題に絞れば、今後の見通しは、WTOでのBRICsとG20が関係してくるのだろう。 大連で開かれていたWTO非公式閣僚会議では、農業分野関税引き下げ方式について、一定割合で一律削減する方式が提案された。
 この決定がアフリカの未来の農政にどれだけ関わるのかよくわからない。 なんとなくではあるが、貧しい国は新興の途上国グループからも取り残されていくというこになるのだろうか。